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サモエド


英語表記 Samoyed
原産国 ロシア(シベリア)
サイズ 大型犬
グループ 5G
体高 54cm~60cm
体重 16kg~30kg

サモエドの特徴

サモエドは体高より体長がやや長く、全身を白い長毛に覆われた、立ち耳で小さめの大型犬です。尻尾は長い飾り毛があり、ゆるやかに巻いています。
うるんだ黒い目と鼻、長めのマズルに上向きに切り込んだ口角から、まるで微笑んでいるように見えます。この表情はサモエド・スマイルと呼ばれ、イギリスのサモエドクラブでは「The Happy Breed」と呼んでいます。
標準のサイズは、オス57cm、メス53cm、上下3cmまで認められています。

サモエドの性格

サモエドは優しく温和で辛抱強く、他人にも他犬にもフレンドリーです。
訓練性能が高く、人間を信頼し、そばにいたがります。
ボール遊びやひっぱりっこなども大好きで、落ち着いて辛抱強いため、子どもの遊び相手としても理想的です。
サモエドは社交的で人見知りをしないため、番犬としては役に立たないでしょう。

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サモエドの歴史

雪のように白い大きな毛玉のような犬のサモエドは、現在のロシアにあたるシベリアのツンドラ地方で、遊牧民族であるサモエド族と暮らしてきた土着の犬です。
民族の名をそのまま付けられたサモエドは、トナカイの牧畜や狼に襲われないように警護したり、飼い主とともに猟に出かけたり、荷物やソリを引いたりと、人間と共に働いてきました。
別名をシベリアン・スピッツと言いますが、サモエドは体型や被毛、性質とそのすべてが典型的なスピッツ系であり、狼やキツネなどイヌ科の近縁種との交雑もなかったと推定される、原始からの犬らしい犬と言えるでしょう。

極限の地で長い間暮らしてきたサモエドは、厳寒への適応能力と作業性を見込まれて、アムンゼンとスコットの物語で知られる南極探検隊の作業犬として、ノルウェーやイギリスなど各国で採用されたことが知られてしますが、実は彼らより早い時期にロシアやノルウェーの探検家が、南極以外の極寒の探検に、いち早くサモエドを採用していました。
そして1911年、アムンゼンとともにおよそ50頭のサモエド犬が南極の地を踏みました。この時のサモエドたちは、後に続く探検隊に譲られ、その何頭かはイギリス他ヨーロッパへ入ることになりました。
なお、スコット隊の連れていたサモエドたちは全頭が亡くなったと伝えられており、イギリスにサモエドを連れて行ったのは別の南極探検隊員や、動物学者のアーネスト・キルバーン・スコットで、探検家のロバート・スコットとは別人です。

イギリスに入った当初のサモエドは、まだ純白の犬ばかりではなく、黒やブラウンなどの毛色もいました。
スコットが連れ帰ったサモエドもブラウンであったそうですが、イギリスでは白い毛色が好まれたため、選択繁殖を繰り返す中で、やがてサモエドは白い犬ばかりになっていきました。
サモエドは、白くてふわふわの優しい犬として、多くの人に愛されるようになり、1909年には最初のスタンダードが作成されました。そして1912年、イギリスケネルクラブはサモエドを正式に犬種として公認することになりました。
日本の住宅事情ではやや大きかったため、日本ではサモエドにジャーマン・スピッツを交配して小型化した「日本スピッツ」がもてはやされた時期がありました。しかし、ジャーマン・スピッツ譲りの騒々しさにより日本スピッツは人気が低下してしまい、近年はより温和で落ち着いているサモエドの人気が高まっているようです。

サモエドの飼い方

サモエドは非常に体力があり、遊び好きでもあるため、毎日1時間以上の散歩が必要になります。
寒い季節でも喜んで体を動かします。暑さにはやや弱いものの、辛抱強く体力があるため、若い犬なら夏でも朝晩の涼しいうちにしっかりと運動をさせましょう。

大変従順でしつけはしやすく、自立心があるため留守番も可能ではありますが、遊び好きであまりに退屈するといたずらをすることがあります。
散歩以外に一緒に遊ぶ時間を取ってあげたいものです。

サモエドはダブルコートで、換毛期になると非常に多くの毛が抜けます。
皮膚病予防のためにも、少なくとも週間に2~3回、できれば毎日ブラッシングをして、アンダーコートに空気を入れてあげてください。

サモエドの毛色

サモエドはピュア・ホワイトかクリーム、或いはホワイトにビスケットが入っている毛色です。

サモエドの気を付けたい病気

サモエドは胃捻転が起きやすい犬種とされ、処置が遅れると死亡することもあります。
胃にガスや食物がたまっている状態で運動をすると起こりやすいとされてします。
ドライフードをドカ食いしたあとにも起こりやすくなるため、十分にふやかした上に、フォークなどで軽く潰して空気を抜いてからあげるのが良いでしょう。
また、食事のタイミングは散歩のあと、少し落ち着いてからにしましょう。

極限の地で長い間、作業犬として働いてきただけに、純血種の割に遺伝性疾患は少ない方です。
中型~大型犬に見られる股関節形成不全の素因はサモエドにもありますが、重度でなければ若いうちからしっかりと運動をさせることで、関節をサポートする筋肉がつけられるでしょう。
また、関節に負担をかけないために、太らせないように管理する必要があります。
ただし、発症してしまったら、運動には制限がかかります。
子犬の頃から、歩き方にはよく注意し、早期発見を心がけたいものです。

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